
俺のタオルとか
下着とかどこに片付けたんだべ?



へ?
ここに置いておくよって
父ちゃんに言ったよね?



やれやれ、父ちゃんは忘れやすいから(笑)
そういえば、眼鏡が見当たらないのよね。
さっきここで使ったはずなんだけど。
どこにいっんたんだべ~・・



もう・・ここにあるし。
え?違うもの?
何個あるのよ・・・
家の中のことを全く携わらない父と
家事など一切したことのない母。
二世帯もの大きな家に
何故か二人家族。
一つ一つの部屋が大昔のものと
捨てられない物たちで溢れかえっていました。
見て見ぬふりをしていた
実家の断捨離作業は
懐かしい物から
これゴミだよね。っていう物まで
物で溢れかえっていました。
だからこそ、生活する上で
断捨離することが
どれだけ楽に過ごせることなのか
過ごしやすいのか。
改めて感じたことを綴ります。
誰しもがシニア世代になるんだってこと。
『明日は我が身』
いつも心の奥底に思っています。
片付けられない理由
実家の断捨離をしようと思ったのは
散らかった部屋と
あちこち使い勝手の悪さ。
ずっと前から気づいてはいたものの
兄夫婦がいる間は
小姑になってしまうようで
手出しはしなかったんです。
捨てられない物に溢れかえり
掃除もできないのに
大切なものだからと溜め込む母。
いつの間にか
押入や物置そして
部屋の何室かを物置部屋として利用していました。
年齢も80歳過ぎてるので
段々何もできなくなってきてるんだろうと思ってましたが
父と母と話をしていくうちに
片付けられないことには理由がありました。
それは・・・
「片付けられないんじゃなくて
片付けられなかったんです」
片付けたくても
片付ける術を知らなかったのです。
どう片づけたらいいのか。
収納や掃除の仕方が分からない。
原因はそこだったのです。
父も母も
昔から外で働いてることがほとんどで
家のことに携わることなどなかったそうです。
分かっているようで
分からなかった父と母のこと。
嬉しいような悲しいような
なんとなく微妙な気持ち。


実家の断捨離を始めます
断捨離をすることは
とても気持ちのいいことです。
物を捨てたり整理していくことで
自分と向き合い
物達と向き合えます。
わたしも自分の家を断捨離し
沢山の物達と向き合い捨ててきました。
「いま自分に必要なものなのか?」
この問いかけに
だいぶスッキリして
掃除も片付けも楽になってます。
【 断 】
いらない物を断つこと。本当に必要なもの以外を買わない。
【 捨 】
自分に必要のないものを捨てること。
【 離 】
物への執着から離れること。
実家の断捨離は物が多すぎるのと
父も母も高齢者のため
物達と向き合うことに疲れすぎてしまうという理由で
一週間に一度のペースでやってます。
断捨離はとても疲れます。
ヘトヘトになります。
わたしは初めの頃は頭痛も伴ったこともありました。
それほどまでに
頭を使っていくことを知っているので
少しずつやっていくことに決めました。
両親が住みやすい家になるように。
使い勝手がいい
物を無くすことを少ない状態に。


大好きなものの価値観の違い
大好きなものの価値感は
一人一人違います。
例え、家族であったとしても
自分の価値感は
自分にしか分からない。
価値観は違って当たり前。
そのこと前提に
実家の片付けを始め
よく巻き起こる口喧嘩・・・
原因は物たちの価値観。
ずっと放って置かれた昔の物やゴミを
何故か
もったいなくて捨てられない両親。
早くスッキリさせたくて
捨てたくて仕方ないわたし。
わたしにとって
親たちの物は
きっと両親が思うほど
大切なものじゃないんですよね。
いや・・・全然大切じゃない!
何故なら
その物たちに思い入れがないから。
この価値観の違いが
喧嘩の始まりになります。
断捨離をしていく疲れと
価値観の違いとで
もう両親に一々聞かず
汚いもの・使用できない物だけでも
捨ててしまおう。
と思ってた矢先・・・
「もう、ほっといて!!」
そんな言葉を頂きました。
必死で
汗だくで
片付けをしていたわたし。
毎日の食事の準備そして
毎週の休みの日は
片付け三昧になり
親が楽に過ごせるようにと
居心地良く過ごせるようにと
ただただ・・・
それだけだったはずなのに。
涙ながらに
「わたしって・・・一体、何してるんだろ・・・」
ふと、我に帰りました。
悲しいやらムカつくやらで
とりあえず、落ち着こうと
作業を中断し
すぐさま実家を後にしました。


親が子供に変わるとき
どんなに年老いて認知症になったとしても
いえ、認知症がひどくなるほどに
物たちへの執着心が
深くなることを知りました。
「老いて二度児になる」
(おいてふたたびちごになる)
こんなことわざがあります。
まさに、実感。
子供のように
最近では、物を隠したり
ある場所が分からなくなったり
なにもできなくなったりと
両親がとても小さく感じるときもありました。
「ほっといて!」という言葉は
きっと、親なりの
「大切な物たちまで捨てないで!」
っていう叫びだったのでしょう。
わたしにとって大切な物・大好きな物があるように
親は親で大切な物・大好きな物があるんですよね。
誰でも他人の価値観を押し付けられたら
とても嫌な気分になります。
だって自分は好きじゃないんですから。
だからと言って
両親の価値観ばかりを大切にしていたら
片付けられないまま
衛生的にもよくありません。
子育てとも違う大変さが
介護にはあるんだってこと
改めて知りました。
最近では面倒くさくても
一つ一つの物たち吟味し
親の意見を尊重し
それでも不衛生なものであったら
納得いくまで話をしています。
まだまだ長い闘いになりそうです。


おわりに
大好きな物たちに
囲まれ過ごせるようになるには
物たちと向き合うことが大切。
「幸せだな~♪」
って思う瞬間。
いつでも感じていたいですよね。
他人から見ても
「スッキリして気持ちいいな」
「物の在り処が分かってとても楽」
そう感じて貰えるようになると
とても居心地の良いスペースになっていきます。
断捨離していくことは
始める勇気が必要だったり
疲れが出たりすることで
億劫になってしまうかもしれませんが
断捨離を終えた後の爽快感は
なんとも言えない清々しい気持ちです。
断捨離はとてもオススメです!



